執刀医にはテレビゲームを | 東京22ちゃん~テレ東系、博報堂生活総研派、ブログ~

執刀医にはテレビゲームを

ゴッドハンドの異名を持つ脳腫瘍除去の権威、福島先生は、もしかしたらテレビゲームがすきかもしれない。そしてこれから外科手術を受ける人は執刀医にこう聞こう。「先生、今日TVゲームやりました?」



外科手術の前に「スーパーモンキーボール」のようなTVゲーム20分間プレーした場合、しない場合より素早く手技を終わらせ、しかもミスが少ないことが実験でわかった。

この実験は、ジェームズ・ロッサーという博士が中心となってニューヨークのベス・イスラエル医療センターと米メディア家族研究所が共同で、医療トレーニングコースに参加している外科医303人を対象に実施した。外科医たちは、ゲームをして、切開した場所から極小のビデオカメラのついた腹腔鏡を入れるドリルを行った。 傷口の内部を腹腔鏡を使って縫合する「コブラロープ」と呼ばれる手技を行い、それを評価した。

ロッサー博士は、コブラロープは「カメラのディスプレーを見ながら90センチくらいの箸で靴ひもを結ぶようなもの」と説明した。 研究者によると、手技の直前にTVゲームをした外科医は、そうでない外科医より平均11秒早く手技を終わらせた。ミスをすると、それだけ時間がかかるので、早く手技が終わるということはミスが少ないことを意味している。 腹腔鏡を使う外科手術は、胆嚢、子宮、結腸などで行われる。



まあ。体をあっためるとか、ウォーミングアップとか、勘を取り戻すとかそういった類のことであるのだろう。


そんなわけで、この論理は、一見偶然の産物に思えるかもしれない。しかしながら、実は案外そうでもないらしい。上記をさりげなく裏付けるものとして、東大の飯野教授らが、勘が鈍るというメカニズムを科学的に立証したのである。それによると、脳に低刺激状態(習得したものを暫く行わない状態)が続くと、脳たんぱく質が衰退して、信号伝達物質の放出が鈍ることが分かったのだ。

たかが11秒。されど11秒。100メートルの世界記録よりそれなりに遅いこの秒数だけ、テレビゲームが執刀医の効率を上げてくれるようだが、わたしとしては、やりすぎによる逆効果に注意してもらいたい。